高齢者向け住宅の規格はさまざま。

最近の不動産活用の傾向のひとつに、高齢者向け住宅の建設があります。
高齢者住宅には公的側面が強い介護保険3施設(特養、老健、療養型)や、軽費老人ホーム(ケアハウス含む)のほか、主に民間運営の「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)等があります。
「有料老人ホーム」は老人福祉法に定められた高齢者住宅で、介護付き、住宅型、健康型の3種類があり、このうち介護付きは介護保険法の「特定施設」として自治体で整備枠が決まっています。
「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者住まい法の改正によって創設された高齢者住宅制度です。その創設に伴い、従来の「高齢者円滑入居賃貸住宅」、「高齢者専用賃貸住宅」、「高齢者向け優良賃貸住宅」は制度が廃止されましたが、このうち「高齢者向け優良賃貸住宅」は、各自治体が所管する「地域有料賃貸住宅制度」として継続している場合があります。「地域有料賃貸住宅制度」による「高齢者向け優良賃貸住宅」の魅力は、自治体から建設補助金や家賃補助(条件有り)が出るため、安定的な事業運営が見込めることです。

自用倉庫を高齢者向け住宅に。

E社も、自用倉庫を有料老人ホームに建て替える計画を立てた企業のひとつ。しかし、計画途中で「特定施設」枠の公募に落選し、介護付きから住宅型にプランの変更を余儀なくされました。これに伴い、事業者や建物プラン、事業計画を全て見直したために相当の労力を要しましたが、E社の地域貢献への高い意識が原動力となり、計画を遂行することができました。

事業の検討には、信頼できる専門家との連携が必要。

地域社会への貢献は企業経営にとって不可欠な要素です。
高齢者住宅による不動産活用は社会性も高く、地域貢献にふさわしい事業ですが、反面、制度が複雑でわかりにくく、自治体ごとに整備計画や助成内容が大きく異なるため、事業検討の際には、ぜひ信頼できる専門家と連携することをおすすめします。